株式投資をしている方もそうではない方も一度は耳にしたことがあるであろう村上ファンドで有名な村上さんについての解説記事です。
村上世彰さんってどんな人?
まずはプロフィールから。
生年月日 | 1959年8月11日 |
出身地 | 大阪府 |
学歴 | 東京大学法学部卒業 |
東大卒業後は、通商産業省(現・経済産業省)に入省。
その後、1999年に官僚を辞め、投資ファンド「M&Aコンサルティング」(通称:村上ファンド)を設立しました。
村上ファンドは、企業の株を大量に保有して、経営改革を迫る「アクティビスト投資家」として活動しました。
そこでの投資スタイルは株主利益を第一とした、中長期的なものです。
村上世彰さんの名言・印象的な言葉
1. 「会社は誰のものか? それは株主のものだ。」
- 彼が一貫して主張してきた基本理念。
- 経営者のものでも、社員のものでもなく、リスクを取って資金を提供している株主のものである、という考え。
2. 「投資とは、社会を良くする行為だ。」
- 金儲けだけが目的ではなく、企業を正しい方向に導くことが結果として社会をよくする、という思想。
- 『生涯投資家』でもこの精神が強く語られてる。
3. 「お金に色はない。」
- 金融市場での取引において、「善悪」で判断するのではなく、合理的な考え方で行動すべきという意味。
4. 「人は自分が見たいものしか見ない。」
- 投資判断においてバイアス(思い込み)を排除することの大切さを説いた一言。
- データや事実に基づいて冷静に判断すべき、という教訓。
5. 「世の中を変えるためには、まず自分を変えなければならない。」
- 投資家としてだけでなく、人生哲学として語られている言葉。
- 外部に文句を言うだけではなく、まず自分が変わり、行動することが重要という教え。
村上世彰さんの有名なエピソード
阪神電鉄株の大量取得(2005年)阪神電鉄の経営陣に対して「無駄な資産(不動産など)を売却し、株主還元を強化すべきだ」と主張しました。
結果的に阪神と阪急の経営統合の引き金を引くことになりました。
インサイダー取引事件(2006年)ライブドアによるニッポン放送株買収に関連して、インサイダー取引の疑いで逮捕されました。
有罪判決を受け、実刑を免れる代わりに罰金刑と執行猶予付き判決となりました。
逮捕された時、「俺は悪いことをしたのか?」と本気で悩んだらしく、金融の世界では「情報を得たら迅速に行動する」のが常識だと思っていたそうなのですが、法律を軽視していた自分を深く反省するようになりました。
彼はこの事件を、「社会とは何か、自分の行動に責任を持つとは何か」を真剣に考えるきっかけにしました。
事件後は、しばらく表舞台から退きましたが、2016年ごろから再びメディアに登場。
現在は個人資産を用いて、若手支援や社会貢献活動(教育支援など)にも力を入れています。
以前のような「企業に対して強く物申す」スタイルではなく、教育、子どもたちへの支援、慈善活動にとても力を入れており、「投資とは社会を良くするためのもの」という原点回帰の気持ちで活動に取り組んでいます。
2017年には著書『生涯投資家』を出版し、ベストセラーになりました。
この本では、彼が投資にかけた思い事件後に考えた「投資と社会の関係」、「お金と人生の意味」が赤裸々に語られており、自らの投資哲学や事件に対する考えを率直に述べているので気になった方は書籍を手に取ってみるといいでしょう。
まとめ
村上世彰さんは、「お金第一主義」と世間からみられることが多かったのですが、本当は「社会を良くしたい」という想いを強く持っていた投資家の本来あるべき姿のような人でした。
過去のインサイダー事件での失敗を経て、より深い人生観・投資観を持つようになった、そんな村上世彰さんの解説でした。
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